| 巻 之 一 |
| 伊賀甲賀伝記 | 忍びの由来など |
| 筒火の事 | 鳥の子、筒火など10種。名称列記のみ |
| 忍び打明松の事 | 松明12種。名称列記のみ |
| 万竊盜の大事 | 忍び焼薬、熊坂火など、攻撃用の火器18種。名称列記のみ |
| 忍道具の事 | 軽明松、大宮内など20種。巻之二参照 |
| 仕置薬の事 | 薬類9種。名称列記のみ |
| 車洗の次第 | 諸真言秘密の大事など5種。名称列記のみ |
| 巻 之 二 |
| 忍道具秘法 | 道具について記している巻之二の巻頭言 |
| 軽明松の事 | 目立たず持ち歩きしやすい、コンパクトな松明。テニスのラケットのような形状 |
| 大宮内の事 | 不詳。火ばさみのようだが、苦無のようでもある。大宮内は長さ2尺2寸 |
| 小宮内の事 | 同上。小宮内は長さ8寸 |
| 鎌作の事 | のこぎり刃の普通の鎌 |
| トイカキの事 | 形状は大きな鎌。城中に入るときや、塀・柵木を破るときに使う |
| 鉄の事 | 刃の大きな包丁に見える。万能ナイフのように、万事に使用 |
| クロロカギの事 | 扉の鍵を開けるためのL字の道具。ストラップを付けて、腰にぶら下げて持ち歩く |
| キリの事 | 錐。穴を開ける道具 |
| 大鋸の事 | 大鋸と小鋸がある。壁を切る道具。武器を作るためにも使用する |
| 碇の事 | 鉤縄の水版として、水中の石などに引っ掛けて縄を止め、水中移動の便や、浮橋の固定、敵船に引っ掛けるなどする。通常の鉤縄のようにも用いることができる |
| 結梯の事 | 竹・木や縄を使って作るシンプルなハシゴ |
| 浮橋の事 | 堀や河に掛けて渡るためのハシゴ状の橋 |
| 小鋸の事 | 大鋸の項参照 |
| 些音聞金の事 | 金属板。物音を聞く際に耳に近づけて持つと、声が響いて聞こえる |
| 蒔菱の事 | 鉄を2つ溶接してトゲを作る。逃げる際に撒いて、敵に踏ませる |
| 水中水入りの事 | 水中で用いる兜。頭上からの矢玉に備える |
| 水中些音聞金の事 | 金属板。水中で使用する些音聞金 |
| 水中甲の事 | 水中で用いる兜 |
| 大国火矢の事 | 火薬を仕込んだ筒を搭載した火矢 |
| 浮踏の事 | 水中で用いる浮袋 |
| 仙方妙薬 | 空腹・飢渇を紛らわす丸薬。前書、作り方、香り、用法、効能について記す |
| 竊盜 | 忍びについての口上 |
| 巻 之 三 |
| 火箱の事 | 火を持ち運ぶための小箱 |
| 黒焼の事 | 綿紙の黒焼。着火剤に用いるものと思われる |
| 火金の事 | 火を持ち運ぶための金属らしい |
| 四寸火縄筒 | 着古した麻布から作る。着火剤か |
| 夜打鳥子 | 着火剤か |
| 竊盗鳥子 | 忍び入るときに家の中の様子を見るときに用いる手のひらサイズの明かり |
| 打手火の事 | 手のひらサイズの明かりか |
| 台尻の事 | 車菱(大型の撒菱)のことらしい |
| 探り金の事 | 戸締まりの栓の様子を伺い、また外すための道具 |
| 延鍵の事 | 鍵を開けるための道具 |
| 刃鍵の事 | 鍵穴から入れて鍵を開ける道具 |
| 楯の事 | けやき又は樫の木で作る |
| 金牛房の事 | 戸をひらく梃子のような道具 |
| 鍵刃の事 | 鎌のこと |
| 木太刀の事 | なたの先に石突(傘の先端にあるやつ)を付けたもの |
| 刃先の事 | 工具の「のみ」のこと |
| 三方通し | 「四方通し」もあるという。錐のこと |
| すりきりの事 | ただのスリキリのこと |
| 釘喰の事 | 釘抜きのことか |
| 車菱の事 | 金属の菱 |
| 後縄菱の事 | 流し縄菱。2,3間の縄に菱を付けたもの |
| 弓矢の事 | 弓矢のこと |
| 水縄の事 | 堀の大きさを測るための縄 |
| 下縄の事 | 堀の深さを測るための縄 |
| 下橋の事 | 堀を渡るための橋 |
| 火かくし置く橋立の次第 | 埋め火など |
| 流橋の事 | 水上に浮かべる筏状の橋 |
| まくり橋の事 | 石垣を登るための梯子 |
| 宮内大事 | 不詳。長さ1尺6寸、本は丸く、先端は四角にして、100本も用意するという |
| しやちほくの事 | 不詳。火ばさみに見えるが、苦無のようでもある |
| 土通しの事 | 忍びの土(?)を下ろすための筒状の布 |
| 折鍵の事 | 四つ折のノコギリ |
| 玄能(堅脳) | トンカチのこと |
| 矢 | 矢のこと |
| 鉞(まさかり)の事 | まさかりとは、刃が大きく、片方がくびれている斧のこと |
| 焼明松の事 | 普通の松明 |
| 真綿の事 | 門を静かに開けるときに使用する |
| ちろりの事 | 不詳。大秘事のため口伝と書かれる |
| 子鶉の事 | 不詳。奥義のため口伝と書かれる |
| 作法作物の事 | 不詳。これも奥義だという |
| 手の内火の大事 | 火陽板とも。不詳 |
| 巻 之 四 |
| 忍び出立秘伝の事 |
方言・姿態・職業をまねて、時事の話題を語り、礼儀をもってあたれば、自然と人に親しみを持ってもらえる。人の親しみ無くして功は得難い |
| 便宜の人に寄る心得 | 他国の領主の様子を知る方法 |
| 逢わずして逢う秘事 | 他国に行って、その国の間者に、自らは忍びと気づかれずに会う。そうすれば、嘘をつかれることはなく、時々本当のことを喋ってくれる |
| 見所聞所肝要の事 | 潜入する国の領主について、その評判や仕置、また国内の富貴・交通・城郭の様子まで見る。表だけでなく、裏まで見ることで、後日の利まで含めて判断することができる |
| 随所変体の心得 | その土地の人の恰好をし、方言を真似て、紛れて侵入する |
| 他国に忍入る心得 | 人混みや風雨に紛れて侵入する |
| 行路難の心得 | 夜中に他国、野山を通過したり、家に侵入するときの心得 |
| 忍 入 大 極 意 |
猿子入りの事 | 白昼は猫の形を作って家に侵入する。また家の軒から軒へ移るときは継梯子を使い、また宮内を使う |
| 堀越土台抜きの事 | 堀を越えるときは、釣梯子や下梯子を使う |
| 門を開く事 | 肘壺(扉の回転軸)に綿を巻いて開くと音がしない |
| 扃(門戸)・敷居の事 | 水を差し、油をかけて開ければ音がしない。油水がなければ尿でも良い |
| 人の寝所を通るの事 | 人の寝ているところを静かに歩く方法 |
| 板屋を踏み通る事 | 屋根の上を静かに歩く方法 |
| 忍 び 隠 密 秘 伝 |
拍子木の事 | 家の中の様子を探るために、拍子木を打って様子を伺う |
| 声を立てて呼ぶ事 | 火事・喧嘩・夜討などと声を上げると人々が騒ぎだす |
| 火を掛ける事 | 遠いところの家に放火すると人々が騒ぎだす |
| 馬を放つ事 | 厩の馬を繋ぐ縄を切って馬を放つと人々が騒ぎだす |